「果実は鈍色」のレシピ

本日は、制作日記なるものを書いてみます。

「鏡界の白雪」様 エンディングテーマソング、「果実は鈍色」でございます。

かじつはにびいろ、と読むよ。

これからこのゲームの世界観について色々書き綴りますが、私の個人的な意見や解釈とかも入ってるから、それが全てではない、ということを始めに言っておきます。

 

 

まず!始まりは、このゲーム、オトメイトパーティ2015で公開された先行PVがありまして。

一度しか見ていないので、結構もうぼんやりとしか思い出せないのですがw

妖しげな音楽に影絵のようなムービー、モノクロの世界に果実(だったような)。

それを見たときに、素敵だなーこれ絶対買いたいなーと思ってたんです。

まさか、私なんぞにエンディングテーマを作らせて頂けるとは・・・!

白雪、罪と罰、果実、なんだか神話チック、好み!と、世界観はそれでなんとなく掴む。

 

 

曲作りの際、シナリオはありませんでした。

代わりに、たとえば「狂気」とかね、キーワードを数点頂き、そこからイメージを膨らませていったのです。

いま考えると、膨大な量のシナリオを読むと頭がとっちらかり、書きたいテーマ多すぎて、詰め込みすぎちゃって、ダメになってたかも。

この世界の核だけ教えてもらえたのが有り難かった。

 

私は、始めに歌詞というかほぼ作文とか小説のようなものを書いて、そこからイメージしてメインのメロディをつくり、歌詞をメロに沿って削って、ギターとかベース、間奏のメロディを考える、というやり方です。

 

ハッピーエンド、その対となるのはバッドエンド?と思いますが、このゲームは特殊で、「鏡界エンド」という呼び方が最初からされていました。悲しくないけど、狂ってる。切ないけれど、甘くて優しくて幸せで、、そんな注文を受けました。

 

いいじゃん!もうさーそういうエンド大好き。なんか、幸せに結婚したり恋人になるだけがハッピーエンドじゃないよな、と思うもん。

ちょっと脱線するけど、有名な悲劇の「ロミオとジュリエット」ってあるじゃないですが。あそこで、二人して亡くなるエンドだからこそ、完結した、結ばれた、幸せだ、と思うのですよね。

ロミオがさ、ジュリエットに出会う前は別の女の子のことが好きだったんですよ。ロザラインさんというのですが。でもジュリエットちゃんに会ってあっさり乗り換えるのね。

だからさ、二人ってもし生きて恋人やっててうまくいったのかな?いやいかないよね?とか思うのねw

 

 

話を戻しまーす。というわで、意気揚々とエンディングの歌詞を考えてゆく訳です。

鏡の世界、誰そ彼、果実、甘い、幸せ、孤独、痛み、独占、皆の苦しみを詰め込んで、、、そうだ、狂気を表現するために、ちょっと支離滅裂な日本語にして。

ザクロといえば、やっぱり「よもつへぐい」は欠かせないよな、「ペルセポネ」の話が大好きなのよおお、おとぎ話の雰囲気に神話性は絶対欠かせない要素。

 

 

またちょっと脱線するのですが、「白雪」なのに「ザクロ」?「林檎」じゃなくて?と思いますよね。でも、私の中では結構しっくりきてたりします。

比較民俗学という学問がありまして。(民間伝承や信仰・文化などを国や地域を越えて比較し、その共通点から影響関係、或るは人類共通の心理、等の理解を深める学問)。私は「宗像教授伝奇考」というたいへん面白い漫画でその存在を知ったのですが、その中に、「白雪姫」と「イザナミ神話」の共通点が書かれております。

「白雪姫」は、魔女の嫉妬で死の危険にあうお姫様の話。最初は「ひも」で首を絞められる、次は毒を塗った「くし」で髪をとかれる、最後に「毒林檎」。そして仮死状態に。うーん、冥界の匂いがしますね。

「イザナミ神話」というのは、ざっくり言うと、イザナギくんとイザナミちゃんという夫婦がいて、イザナミちゃんは先に死んでしまい、黄泉の国で食事もしちゃって、8人の雷神に囲まれ、もう現世には帰れないし私の姿を見ないでえ!というのですが、イザナミくんはそれを見ちゃって、でも蛆とか湧いててほとんどゾンビだから、うわあ!って逃げだすんですね。で、追手をかわす際につかった道具が、「ひも」、「くし」、「桃」なんだそうです。

「イザナミ」と「ペルセポネー」は、よもつへぐいをしたこと、冥界の女王であることが共通項。

このようにリンクしてですね、なので白雪姫とペルセポネは無関係じゃないのかもしれないなーと。

名前が「白雪」で、果物が「林檎」だと、なんかまんま白雪姫だから、こういうところも、世界観に深みを与えている気がします。たくさんのおとぎ話がこのゲームに詰め込まれている、それはつまり、人類共通の深層心理に切り込んでいるということ?と思っています。

あとはジョージ・マクドナルド「リリス」やら、ルイス・キャロル「不思議の国のアリス/鏡の国のアリス」などを読みながら支離滅裂さを学んでいきました。

そういえば、アリスってものすごく独り言多いんだよね。ひとり二役とかでしょっちゅうぶつぶつ言ってるの。二人の自分。うーん、鏡界の白雪にはそういう要素もあるよねえ。

 

 

 

こんな感じでなんやかんや曲ができ、提出。

曲はOKでしたが、歌詞は直しが入りました。ところどころの歌詞が「軽すぎる」というのです。

確かに、「あたし」とか「いいじゃん」とか入っちゃってました。白雪ちゃんの一人称は「私」なので、そこは統一しましょうと。

すごく嬉しかった!世界観のためにこんなにちゃんとしてるんだ!曲一つが、こんなにも大切に考えられているんだ!素晴らしいゲームに関われたぞ、と。

うれし泣きしながら歌詞を直して完成〜!

EDを使ってもらったPVは本当に素敵で、もちろん、きっちり監修が入っているわけだから、そりゃ、世界観に合わない訳がないのです。

 

 

 

あらゆることに挫折し、負け続けてきた私ですが、、、曲作りが大好きです。

世界観が色濃い作品のために、色濃い作品を作ることが幸せ。

これからもこういう機会があるように、これだけは負けない様に、頑張ろうと思います。

さて、読みづらい文章だったと思います、ここまで読んで頂き感謝!

 

 

次回、波乱のハッピーエンド制作!幸せって何?お楽しみに!